【防災】緊急地震速報について
緊急地震速報は地震を予知する技術ではありませんが、非常に役に立つ情報です。
どのような仕組みで発出されているのか、紹介します。
緊急地震速報は、直前に地震がこれから来ることを伝えてくれる気象庁のサービスです。
地震に襲われる前に、机の下に隠れる時間を与えてくれる可能性が高くなります。
緊急地震速報の仕組み
P波とS波
地震が発生すると、2つの波が私たちのもとに届きます。
それがP波とS波です。
これらの波の特徴をまとめます。
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P波 (Primary Wave)
速さは、秒速約7~8km
揺れ方は、縦揺れ。弱い揺れ。初期微動
緊急地震速報の発表に利用される波はP波 -
S波 (Secondary Wave)
速さは、秒速約3~4km
揺れ方は、横揺れ。強い揺れ。主要動
私たちが感じる揺れはこのS波で、大きな被害が発生する場合もある
発表の流れ
いま紹介したP波とS波を使って説明していきます。
地震が発生すると、P波とS波が発生します。
P波はS波よりも約2倍の速さで進むので、
P波の方が観測所(地震計)に早く到達します。
このP波を感知した地震計は気象庁に情報を送信し、瞬時に規模(マグニチュード)を推定します。
さらに、地域の震度やS波の到達時刻を予測します。
それらの予測を行った後、気象庁は緊急地震速報を発表します。
それから少ししてS波が到達します。
緊急地震速報の強い場面・弱い場面
緊急地震速報はP波からS波が到達するまでの時間の違いを利用したものになっています。
震源から離れていればいるほど、緊急地震速報は非常に有効
なものになります。
一方で、非常に近い場所で発生した場合、S波の到達に間に合わない可能性があります。
緊急地震速報が間に合わないと考えられているのは、直下型の地震です。
危惧されているもので言えば、首都直下地震です。
「首都直下地震」については別途記事にしようと考えています。
誤差と誤報
緊急地震速報の発表は、短時間で行っているため誤差が生じることがあり、
予測されていた震度よりも、弱かったり強かったりする場合があります。
また、落雷や事故、観測所での障害等の理由で誤報が発せられる場合があります。
2つの震源でほぼ同時に地震が発生した場合でも、誤報になってしまうことがあります。
これらはシステム上、どうしても起こりうることなので、
どんな内容でも過信せず、机の下にもぐるなどしっかりと身を守る対応を
しましょう。
緊急地震速報の種類
緊急地震速報には、「予報」と「警報」の2種類があります。
さらに震度6弱以上の地震が予想されるような場合は、「特別警報」として発表されます。
予報は、発生から2~3秒で発表されるとされています。
2地点以上の計測により、震度5弱以上が予想される場合は警報を発表します。
2地点以上の観測が行われるまで発表を待機する理由は、雷などのノイズによる誤報を避けるため
のようです。
緊急地震速報の警報には、発生時刻や震源の推定、震央の推定、
および震度5弱以上の地域と震度4の地域も発表されます。
これは、震度4の地域が「予測誤差で大きくなる」などの理由で発表されます。
緊急地震速報の警報は、精度をより高めた続報が発表される場合もあります。
続報の発表条件は以下です。
- 後の解析で、発表されていない地域で震度4および震度5弱以上が予測された時
- 雷等のノイズで誤発表された地域に対してキャンセルする時
一度発表された地域に対し、雷等以外の自然現象が理由で震度3以下の予測となった場合でも取り消さないそうです。
緊急地震速報を受け取る
緊急地震速報が発表された時に取るべき行動
気象庁では、
緊急地震速報が発表された時の行動について、シーン別で公表
しています。
一部を抜粋して紹介します。
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家
→頭を保護し丈夫な机の下などに避難してください。 -
自動車運転中
→あわてずハザードランプを点けながら、減速しましょう。
大きな揺れを感じた場合、道路の左側に停車しましょう。 -
街中
→ブロック塀や看板などに注意し、頑丈な建物があれば避難しましょう。
おわりに
緊急地震速報は、地震から身を守るための画期的なシステムです。
ぜひ、活用して身を守りましょう。
また、自分が受信した際には周りにも伝えて一緒に避難しましょう。