みずー工房

気ままライフを綴るブログです

はやぶさドラマ

今週のお題「もう一度見たいドラマ」


2週連続で申し訳ないんですが、 小惑星探査機「はやぶさ」に感動させられたた話を書こうかなと思います。
今話題になっている2号機ではなく、今回は初号機の方のお話です。

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今日のニュースで、「はやぶさ2」の中に多数の砂粒が含まれていたようで、
小惑星リュウグウからの回収に成功している可能性が格段に上がったようです。
これからの詳しい解析が楽しみですね!


さてさて、今週のお題が「もう一度みたい、あのドラマ」ということで、
私自身は全然ドラマを見ないので、めちゃくちゃ困ってますねw


お題の例には、TVドラマとか韓国ドラマとか、映像作品について書かれていたんですけど、
もうちょっと大きく意味を受け取って「大きな出来事」として書かせてください。
今回のテーマは、宇宙探査機「はやぶさ にしようと思います。


現在、世間を賑わせっている「はやぶさ2」の成功を大きく支えているのは、
お兄さんに当たる「はやぶさ」初号機があってこそ だと思っています。


この「はやぶさ」は、あまりにも紆余曲折の生涯をたどって地球になんとか帰還したということで、
話としては非常に面白みのあるものになりました(責任者はたまったものではないと思いますけどねw)
なので、多くの書籍や映画が作られることになりました。ぜひ、面白いのでそちらもどうぞ!


ここでは「はやぶさ」がどんな困難を乗り越えて地球に帰還したのかを、
私が驚いたところ感動したところを中心にまとめておこうと思います。



はやぶさ」(初号機)は2003年5月に打ち上げられました。
地球を離れて、 小惑星イトカワ」のサンプルを持って帰ってくることが目標 です。


イオンエンジンの不調

はやぶさにはイオンエンジンが4つ搭載されているのですが、そのうちの1つが不調になっていました。
ただ、運用上は3つまでしか同時に出力できなかったので問題にはならなかったようです。
でも今思うと、この辺から怪しい風が吹いていたのかもしれませんね...


ちなみにイオンエンジンは効率が良いのですけど、それでも通信などの他のことに電力を使えるように、
入切をこまめに切り替えてたみたいですね。初めて知りました!


小惑星イトカワ到着

目的の小惑星の近くに到達したのは、2015年9月。打ち上げから2年4ヶ月ごろですね。
タッチダウン(着陸)のために、2ヶ月ほどの調査とリハーサルを繰り返しました。


イトカワリュウグウもそうですが、
小惑星ってデコボコしてるので、着陸させるだけでも一苦労ですね。
それに地球と違って温度の変化も激しいので、長い間着陸できないって昔読んだ本に書いてあった気がします。


1回目のタッチダウンは、姿勢制御装置の故障もあってトラブルに巻き込まれてしまいました。
着陸直前に異常を感知するものの、 2回のバウンドを経て30分間もの間イトカワに着陸していたようです。
ダメージが大きそうです...。


このトラブルにより予定通りに着陸ができませんでしたが、
バウンドした衝撃で舞い上がった砂が採取できたのではないかと期待もありました。


タッチダウンはもう一度行われました。
持って帰ってこれた微粒子は、このタッチダウンによるもの と考えられているそうです。
イトカワでの最終を終え、地球にまた戻ることになりました。復路です。


行方不明

2回目のタッチダウンから2ヶ月後、2005年12月にとんでもないことが起こります。
なんと、 地球との通信が途絶えて行方不明になってしまったのです。 宇宙で迷子です。


宇宙で迷子になったら最後、基本的には見つかりません。
責任者ともども絶望に暮れたと思います。。。


しかし奇跡のはやぶさ 翌年の1月に「はやぶさ」からの信号をキャッチすることに成功しました!
迷子発見です。大体2ヶ月程度かかって発見したので執念が呼んだ奇跡ですよね。


低電力な1bit通信(一問一答形式)で、質問をしながら状況を把握していきました。
なんとか見つかったはやぶさは、ボロボロの状況でした。
それでもあきらめず、1ヶ月後には通常の通信や位置を把握することができるようになっていきました。



イオンエンジン完全停止

2009年11月、 いままで作動していたイオンエンジンが劣化や故障によって全て停止しました。
エンジンが失われたので、またしても危機に陥りました。ピンチです。


イオンエンジンは「スラスタ」と「中和機」の2つの組み合わせからなります。
4つのイオンエンジンにはそれぞれ、対になって組み合わせて作動しています。


こんなトラブルがあることも想定してたように、この組み合わせを変えられるように仕込んでいました。
具体的には「中和機A」と「スラスタB」を組み合わせて、エンジンを再度稼働させました。


地球へ帰還

2010年6月、地球に帰ってきたはやぶさは、カプセルを地球に投下しました。
最初の運営の方針では、しばらく地球を周回させて残しておくつもりだったそうですが、
ボロボロだったはやぶさは、地球に突入させ燃やすことにしました。制御が難しかったんでしょうね。


そんなはやぶさ 最後に託したミッションは、地球の撮影 でした。
はやぶさに「地球にまた戻って来れたんだぞ」って見て欲しかったんですかね。


下の灰色の部分は、送信途中で通信が途絶えてしまったためのノイズらしいです。
この写真は、旅の全てを物語っているような気がします。
諦めないことで得られる感動を教えてもらいました。...長くなりました。以上です。

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画像はJAXAのものです。