みずー工房

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【防災】津波警報・注意報について

気象庁が発表する「津波警報・注意報」について、まとめておきます。
東日本大震災以後、大幅な見直しが行われました。

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津波警報と注意報

津波警報・注意報」は地震が発生した際に、気象庁津波の可能性を予測し発表するものです。
地震が発生してから最短で2分で発表されます。


津波警報のおおよその仕組み

気象庁は、 ”事前” に津波を発生させそうな断層を設定してシミュレーション を行っておきます。
そのシミュレーション結果を複数利用して、津波警報の発表を行います。


事前のシミュレーション結果を使う理由としては、地震が発生してから計算するのでは間に合わないためで、
迅速に発表するための工夫の1つになっています。


ここで大事になるのは、 どこでどのくらいの規模の地震が発生したかをなるべく早く予測 することです。
シミュレーションは「位置」や「規模」などに対応して行われているため、
これらの情報を即座に比較する必要があるからです。


気象庁では、 地震が発生してから位置や規模の推定を行い、3分程度で津波警報の発令を目標 にしています。
2006年からは、緊急地震速報を活用した津波警報の発表の運用を開始し、
緊急地震速報の精度が高い場合はその情報を利用して、2分で津波警報を発表することができます。


地震が発生してから詳細な計算やメカニズム解明が終わるまでに、10〜20分ほどかかります。
速報で発表された内容よりも過小に評価された場合は、津波の来襲がないことを確認してから、
ランクを下げたり、解除したりします。


津波警報・注意報の種類

東日本大震災をきっかけに ”わかりやすさ” の見直しが進み、2013年に大幅に簡略化されました。
現在は、 大津波警報が3種、津波警報が1種、津波注意報が1種となって発表 されます。

種類 発表される津波の高さ 取るべき避難行動
数値 表現
大津波警報
(特別警報)
10m超
(10m < [予想])
巨大 沿岸部や川沿いにいる人は、
ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。
10m
(5m < [予想] ≦ 10m)
5m
(3m < [予想] ≦ 5m)
津波警報 3m
(1m < [予想] ≦ 3m)
高い 沿岸部や川沿いにいる人は、
ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。
津波注意報 1m
(0.2m ≦ [予想] ≦ 1m)
- 海の中にいる人はただちに海から上がり、
海岸から離れてください。
津波予報 0.2m未満
([予想] < 0.2m)
- 特段の対応が必要なわけではありませんが、
海でのアクティビティには留意が必要です。


大津波警報 特別警報 に分類されています。
また津波予報は、大きく2つのパターンで発表される場合があります。

  • 0.2m未満の海面変動が予想されたとき
    地震発生直後に発表されるパターンです。
    「若干の海面変動が予想されるものの、津波の心配はなし」といった文言で発表されます。

  • 津波注意報解除後
    津波注意報からランクを下げられた時に発表されるパターンです。
    海に入っての海水浴や釣りを行う際には、十分な留意が必要です。


津波予報区について

津波情報はあらかじめ66に分割された決められた区域 に対して発令されます。
海岸沿いに住んでいる方はもちろん、旅行時など事前に確認しておくとスムーズに情報収集できます。
以下、気象庁のページから確認できます。

津波予報区について - 気象庁 (外部ページ)


津波避難場所の標示

津波避難所についての標示はJIS(日本産業規格)で定められています。
多くの場合はこの標識が利用されていると思われるので、事前に確認しておきましょう。

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【画像】避難場所等の図記号の標準化の取組 - 内閣府


津波の観測に関する発表

津波が観測された場合の速報値の発表に関しても取り決めがあります。
予想より下回った値が観測された場合も、避難の継続を促すため「観測中」などの単語を使って発表 します。
以下は、沿岸部で津波が観測された時に発表される基準です。

警報・注意報 観測された津波の高さ 発表方法
大津波警報
(特別警報)
1m超 数値で発表
1m以下 「観測中」と発表
津波警報 0.2m以上 数値で発表
0.2m未満 「観測中」と発表
津波注意報 全ての場合 数値で発表。ごく小さい場合は「微弱」と表現


海外の地震による津波警報の発表

海外で発生する地震について、日本で発生する地震に比べてシミュレーション量が足りません。
多くの場合は遠方で発生するため、時間に少し余裕がありシミュレーションをその場でも実行します。


一方で、2010年に発生したチリ地震によって発令した津波警報の精度が問題となり、
2012年からは、より事前のシミュレーション数を増やし細かく計算することで精度向上を図ったようです。



おわりに

海の近辺に住んでいる方はもちろんですが、
海に旅行に行く際などは現地の状況をよく確認しておくと、慌てず非常時に対応できます。